一戸建てを売却したいと考えていても、何から始めればいいのか、どのような書類が必要なのか、など不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。そのような方のために、一戸建てを売却する時の流れや事前準備、不動産会社の選び方など、売却時に押さえておくべき要点をまとめました。できるだけ希望に近い売却ができるように、事前に知識をつけておきましょう。
目次
- ポイント1一戸建て売却の流れと期間
- ポイント2 事前準備と必要書類
- ポイント3 相場の調査
- ポイント4 一戸建てならではの査定ポイント
- ポイント5 一戸建ての売却に強い不動産会社の選択
- ポイント6 売却に必要な費用と税金
- ポイント7アピールポイントの整理と内覧準備
- 一戸建て売却における注意点
- 一戸建て売却に関するよくある質問
- まとめ
ポイント1 一戸建て売却の流れと期間
まずは、一戸建ての売却がどのように進むのかを把握しておきましょう。売却の流れは大まかに3つの段階に分けることができ、それぞれの段階ですべきことや準備しなければならない書類があります。先に全体像を把握しておけば、どのタイミングで何をすべきかがわかるため、しっかりとした売却スケジュールが立てられます。
売却準備 | ・事前準備と情報収集 ・査定依頼 ・不動産会社との媒介契約締結 ・売り出し価格の決定 (1〜4週間) |
売却活動中 | ・内覧受け入れ ・購入希望者との価格及び条件交渉 ・購入希望者との売買契約締結 (3〜6ヶ月) |
売買契約締結後 | ・決済 ・物件の引き渡し (1〜2ヶ月) ・確定申告 (売却した翌年の2月〜3月に行う) |
一戸建ての場合、マンションよりも売却までにかかる期間が長くなる傾向にあります。というのも、一戸建ては築年数によって物件の価値が上下するため、築年数が古い物件であるほど売却に時間がかかってしまう可能性があるからです。なかなか買主が見つからず、売却に一年以上も必要になるケースもあります。特に、売却をいつまでに終わらせたいという期限がある場合や住み替えが理由での売却であれば、スケジュール管理が非常に大切になってきます。不動産会社と相談しながら、売却スケジュールや早期売却のための戦略を立てましょう。
ポイント2事前準備と必要書類
不動産会社に相談をしたり査定を依頼したりする前に、自分で情報収集して知識をつけておくことが大切です。同時に、売却を検討している一戸建ての状態や立地なども確認しておきましょう。また、一戸建ての場合はマンションと違い、土地と建物を売却することになります。そのため、土地の形状、住宅を建てる際の制限(建ぺい率・容積率など)、接道状況と道路の種類、土地の権利関係や売却対象の土地の範囲などもしっかりと確認しておくことが大切です。
不動産を売却する際は様々な書類が必要になります。例えば、身分証明書、実印、印鑑証明書、登記済権利証もしくは登記識別情報、固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書などは、不動産の種類に関係なく準備しなければならない書類になります。一戸建ての場合は、加えて以下の書類も準備しておきましょう。
地積測量図 | 土地の面積や形状、隣接地との位置関係、境界標の位置、土地の面積の求積方法などを示した法的な図面。紛失している場合は法務局やオンライン申請で取得できる。 |
境界確認書 | 隣接地の所有者と自分の土地との境界について、双方が合意したことが記されている証明書。公的に保管されているものではないため、紛失している場合は測量を行った会社に問い合わせるか、再度測量を依頼する必要がある。元々測量をしていない場合や以前測量した時と現状でずれが生じている場合も、測量を依頼する必要がある。 |
建築確認済証・検査済証 | 建物が建築基準法に則って建築されていることを証明する書類。再発行不可。紛失している場合は、代わりに「建築計画概要書」や「建築確認台帳記載事項証明書」を市区町村の窓口で発行してもらえる。 |
建設設計図書・工事記録書 | 建物がどのように設計・工事が実施されたかを記録した書類。物件を維持管理したりリフォームをしたりする際に重要になる情報のため、用意できれば買主にとって安心材料となる。 |
紛失している書類があれば、再発行の手続きを取ったり代わりの書類を入手したりしないといけません。また、土地の測量など追加で調査して確認しなければならない事項があるかもしれません。さらに、物件が共有名義であれば、全員分の身分証明書、実印、印鑑証明書、住民票などが必要になってきます。このような場合は書類を準備するのにより多くの時間を要します。一戸建ての売却には多くの書類が必要になりますので、売却をスムーズに進めるためにも、早い段階から揃え始めることが大切です。
ポイント3 相場の調査
一戸建ての売却をするには、どれくらいの価格で売り出すかを決めなければなりません。しかし、適正価格がどの程度になるのかは判断しにくいですよね。そのため、まずは相場価格を調べてみましょう。同じエリアにあって類似した条件を持つ物件の取引価格を調べることで、所有している一戸建てがどのくらいで売れそうかの目安を知ることができます。また、不動産会社に査定を依頼する前に相場感を把握しておけば、査定価格が適切なものかを判断でき、相場よりも大幅に下回る価格で売却してしまうリスクも避けられます。また、どれくらいの価格で売却できそうか目安があれば、売却後にどれくらい手元に残るか大体予測できるため、資金計画を立てる上でも役に立ちます。
相場を調べる際は、同じエリア内にあって、間取りや面積、築年数、最寄り駅からの距離などの条件が似ている物件の成約価格を検索してみましょう。「レインズマーケットインフォメーション」は、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営している不動産取引情報検索サイトで、直近1年間に取引された不動産の成約価格などの情報を閲覧できます。また、国土交通省が運営する「土地総合システム」というサイトでも不動産の取引情報が検索できるため、こちらでも相場を確認することができます。
*参考サイト
・レインズマーケットインフォメーション
http://www.contract.reins.or.jp/search/displayAreaConditionBLogic.do
・不動産取引価格情報検索
https://www.land.mlit.go.jp/webland/servlet/MainServlet
ポイント4 一戸建てならではの査定ポイント
相場が把握できたら、次は不動産会社に査定を依頼してみましょう。オンラインでできる一括査定を利用すれば、一度に複数の不動産会社に査定を依頼することができるため便利です。一括査定を通して、各不動産会社から提示された査定価格や各不動産会社の得意分野、実績、各担当者の対応や人柄などを比較しましょう。その後、印象の良かった不動産会社を数社選んで訪問査定を依頼して、より精度の高い査定価格を算出してもらいましょう。特に一戸建てはマンションと比べると一軒一軒個性があるため、一戸建てならではの様々な要素を総合的に判断した上で査定価格が算出されます。
では、物件のどのような特徴が査定価格に影響するのでしょうか。主な箇所を以下の表にまとめていますので、所有する一戸建ての状態をチェックしてみてください。特に築年数は査定価格に大きく影響します。一般的には、築年数が20年以上となる場合、一戸建ての建物価格がゼロになることも珍しくありません。ただし、しっかりと維持管理されて美しい状態を保っている一軒家や一軒家の需要が高いエリアにある物件であれば、築年数が経っていても高値で取引されることがあります。
<一戸建ての査定ポイント>
建物
- 築年数
- 建物の面積
- 設備:水回り、破損状況など
- 内装:間取り、生活導線、雨漏り、床の傾き、シロアリの被害の有無
- 外装:屋根、外壁、建物の傾き、破損状況
立地
- 土地の面積や形状
- 接道(敷地に接している道路の幅)の状況
- 地盤の強度や埋設物の有無
- 日照、風通り、眺望の良さ
- 騒音、振動、異臭の有無
周辺環境
- 最寄り駅までの距離
- 商店街、スーパー、コンビニなどの商業施設までの距離
- 学校、病院、公園などの公共施設までの距離
ポイント5 一戸建ての売却に強い不動産会社の選択
不動産の売却を成功させる鍵を握るのは、不動産会社の選択であると言っても過言ではありません。不動産会社には、開発に強い業者、新築物件の販売に強い業者、賃貸物件の管理に強い業者、仲介に強い業者など、それぞれ得意とする分野があります。全国に展開している大手もあれば、地元に根付いた中小企業もあります。提供しているサービスもそれぞれで、担当者の知識や対応力にも差があります。このような要素が、売却価格や売却にかかる期間に大きな影響を与えるのです。
それでは、数ある不動産会社の中から、一体どのようにして最適な不動産会社を選べばよいのでしょうか。まずは、オンラインでできる一括査定を利用してみましょう。複数の不動産会社に同時に査定依頼ができるため、各不動産会社の査定額や対応を比較できます。その後、印象の良かった数社に訪問査定を依頼して、実際に物件を見てもらいましょう。最終的に、査定を通して得られた情報を総合的に判断し、「この不動産会社、担当者とであれば大切な不動産を売却してみたい」と思えるところと契約を結ぶようにしましょう。
ポイント6 売却に必要な費用と税金
不動産を売却する際は、様々な費用や税金が発生します。売却価格の5〜7%ほどを目安にしておけばよいでしょう。事前にいくら必要かを把握しておけば、後々慌ててお金を準備する必要もありません。
<売却に必要な費用>
費用項目 | 目安 | 支払いのタイミング |
---|---|---|
仲介手数料 | 上限:(売却額×3%)+6万円 ※売却金額が400万円を超える場合。 | 売買契約時~引き渡し時 |
登記費用・ 司法書士報酬 | 抵当権抹消登記・所有権移転登記などにかかる費用。 司法書士へ依頼するなら1万円から3万円程度。 | 決済時 |
ローン一括返済のための費用 | ローンが残っている場合は一括返済をする必要があり、その際に手数料がかかる。金融機関や返済手段によって異なる。 目安は5,000円から3万円。 | 決済時 |
その他費用 | 引っ越し費用、ハウスクリーニング費用、ホームインスペクション費用、測量費など。 業者、項目によって変動。 | 項目により変動 |
<売却に必要な税金>
税金項目 | 目安 | 支払いのタイミング |
---|---|---|
印紙税 | 400円〜60万円(軽減税率の場合は200円〜48万円) ※売却金額によって異なる。 | 売買契約時 |
登録免許税 | 不動産1個につき1,000円 ※住所変更登記・氏名変更登記、抵当権抹消登記の場合。 | 決済時 |
譲渡所得税 (所得税、住民税、復興特別所得税) | 売却益が出た場合に課せられる所得税と住民税。 売却した年の1月1日時点での保有期間が5年以下なら譲渡所得の39.63%、5年超なら譲渡所得の20.315%。 | 売却した翌年の確定申告時 |
<確定申告を忘れずに>
一戸建てが売却できたら、必ず確定申告をしましょう。売却により利益が出た場合、その利益は所得としてみなされるため、確定申告をして税金を納めなければなりません。要件を満たせば特例の適用を受けられるため、節税することができます。売却益が出たにもかかわらず確定申告をしなかった場合は、延滞税や無申告税、重加算税のような罰則が課せられてしまうので注意しましょう。一方、売却による利益がゼロもしくは売却によって損失が出た場合でも、要件を満たせば活用できる特例や控除があります。税法上の特例や控除の適用を受けるには確定申告が必要になるため、忘れずに行いましょう。
確定申告は、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に行う必要があります。年度によって若干日程がずれることがありますので、事前に確認しておきましょう。個人事業主であれば毎年行なっていることでしょうが、会社勤めであったり公務員であったりすると、自分で確定申告をする機会はほとんどないかもしれません。自分で申告することに不安があれば、確定申告会場にて税理士に無料相談できる場合があるので、そのような機会を利用しましょう。手数料はかかりますが、税理士に依頼して申告することもできます。
ポイント7アピールポイントの整理と内覧準備
一戸建ての売却を成功させるためには、内覧に来た購入希望者にできるだけ良い印象を持ってもらうことが重要です。大切なのは、長所だけではなく短所も正直に伝えるということです。もし売却できたとすれば、これからその物件に住むのは購入希望者になります。事前に伝えておいた方がよいことは、隠さず伝えておきましょう。
<アピールポイントの整理>
売却活動を開始するにあたって、物件のアピールポイントを整理しておきましょう。築年数や面積、立地など建物自体に関することはもちろん、最寄り駅までの距離や周辺の生活環境も大事な要素になります。家主だからこそ知っている物件の良いところだけではなく、第三者の目線で見た物件の良いところも整理しておきましょう。
また、物件情報サイトやその他の媒体を使って物件を売り出す際、掲載する写真には十分に注意を払いましょう。というのも、購入希望者にとっては写真から得られる物件のイメージが非常に重要だからです。
より良い印象を持ってもらうため、プロのカメラマンによる撮影サービスや、家具や照明、小物などで室内をモデルルームのように演出するホームステージングなどのサービスを利用するのも選択肢の1つでしょう。
<内覧準備>
物件の広告を見て興味を持った購入希望者は、ほとんどの場合、実際に物件を訪れて自分の目で物件の状態を確認します。内覧では「自分がもしこの家に住んだら」と入居後の生活をイメージする購入希望者も多いでしょう。内覧でよくみられる箇所は、リビング、キッチン、水回り、バルコニー、庭などですが、家の内側も外側も隅から隅まで全部見せる心づもりで念入りに掃除・整理整頓をしておきましょう。また、物件に関する情報は、隠さずにできるだけ正確に伝えることが大切です。
内覧当日は、カーテンを開けて日光を取り入れたり、換気をして極力匂いを消したりして、できるだけ良い印象を持ってもらえるように努めましょう。もし水回りなどの掃除に不安があれば、事前にハウスクリーニングを利用しておくのも一つの選択肢でしょう。購入希望者の中には、「どんな人から買うか」ということを気にする方も多いため、明るく気持ちの良い態度で臨みましょう。
一戸建て売却における注意点
一戸建てを売却する際は、建物の状態や周辺環境の他にも、隣接する土地との境界線や敷地に接している道路の幅など、確認しておくべきことが多くあります。そのような事前確認を怠れば、売却自体はうまく進んだとしても、売却後のトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるでしょう。そのようなリスクを減らすため、事前に注意して確認しておきたいポイントがいくつかあります。一括査定を依頼する前の準備段階の際に、きちんとチェックしておきましょう。
<土地の権利や隣接地との境界線は明確か>
一戸建てを売却する際は、事前に土地の権利が明確か、隣接地との境界が確定しているか、などをはっきりさせておくことが重要です。土地はもちろん、植木や雨どい、エアコンの室外機などが越境していないか確認しておきましょう。売却対象である土地の範囲が曖昧なまま売却してしまうと、売却後に境界トラブルに発展してしまう可能性もあります。売却前に境界を明確にして近隣と良い関係を築けていれば、それは買主にとっても安心材料となります。
正確な土地の範囲が記されている「土地測量図」や、隣接地の所有者と境界線について合意したことが記載された「境界確認書」は、売却時に必要になりますので準備しておきましょう。測量自体されていない土地の場合や、測量した時期が古く現在と食い違いがある場合などは、新たに測量を依頼する必要があります。その場合、測量をしてから書類が揃うまでに数ヶ月はかかるでしょう。また、費用もそれなり必要になります。そのため、一戸建ての売却を検討しているのであれば、まずは土地の現状を確認しておきましょう。
<雨漏りやシロアリの被害の有無をチェック>
築年数による劣化が建物に見られたとしても、日頃から手入れをしておけば良い状態を維持することは可能です。一戸建ての場合は、内装の他にも外壁や庭など、気掛けて管理しておきましょう。特に、雨漏りやシロアリの被害については十分注意しましょう。普段の生活行動範囲外のところで被害が発生しているかもしれません。建物の状態について自分で判断するのが不安な場合は、事前にインスペクション(住宅診断)を実施して、建物の劣化具合や欠陥の有無、修繕が必要な場所などを専門業者に調査してもらうのも一つの方法です。建物の状態が明確になるため、購入希望者に安心感を与えることができるでしょう。
<契約不適合責任を知る>
契約不適合責任とは、売主が買主に引き渡したものが「種類・品質・数量において売買契約の内容に適合していない」と判断された場合に売主が買主に対して負う責任のことを言います。2020年(令和2年)4月に民法が一部改正され、それまでの瑕疵(かし)担保責任に代わり契約不適合責任が制定されました。
住宅を売却する際は、売却の時点での不動産の状態をしっかり把握しておきましょう。何らかの瑕疵、つまり欠陥や不具合があれば必ず事前に買主に伝え、売買契約書や重要事項説明書にしっかりと記載しておきましょう。言い換えれば、建物の瑕疵の内容を契約書などに明記しておけば、契約不適合責任を問われることはない、ということになります。
瑕疵には設備の故障や雨漏り、シロアリ被害、給排水管の不具合、土壌汚染などが当てはまります。売却後に買主との間でトラブルにならないよう、売買契約を締結する前に、売買契約書や重要事項説明書にはしっかりと目を通しておきましょう。もし売却から一定期間内にこのような不具合が見つかり「契約内容と異なるものを売却した」と判断されれば、買主から補修代金の支払いや損害賠償を請求されたり、契約解除を迫られたりする可能性があります。
ちなみに、この契約不適合責任は任意規定です。そのため、売主と買主双方が合意していれば、特約や容認事項を契約書に追加して、売主の責任の及ぶ範囲を狭めたり買主が行使できる権限を限定的にしたりすることが可能です。
<リフォーム歴がわかる書類の準備>
時間の経過とともに建物が劣化していくことは避けられません。もしリフォームや修繕を行なっている箇所があれば、それは買主に向けてアピールできる要素になるため、リフォームや修繕の履歴がわかるような書類を用意しておきましょう。
<築年数に合わせた売却方法を考える>
建物は、時間が経つにつれて価値が下落していきます。一戸建ての場合はマンションと比べ価格の減少幅が大きく、国土交通省 の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、建築から20年で資産価値がほぼゼロになると報告されています。
築年数が20年を大幅に超える一戸建てであれば、自分でリフォームしたい買い手向けに低価格で売り出す方法や、建物を解体し更地として売却する方法があります。土地が広いのであれば、更地にした後に土地を分割してそれぞれ別の土地として売り出す方法もあります。どのような方法が良いかは、建物の状態や立地によって異なります。また、土地のみの場合と建物がある場合では税額も大幅に違ってきます。様々なことを考慮に入れながら、不動産会社とよく相談し、最適な売却方法を検討しましょう。
<住み替えの場合のスケジュール管理と資金確保>
住み替えを考えている場合は、現在の住居の売却と新居の購入のどちらを優先するか悩まれる方も多いでしょう。売却と購入を同時に進行できれば理想的ですが、実際は売却を先行させるケースがほとんどです。売却先行と購入先行のいずれにもメリット・デメリットがありますが、資金に余裕がなければ「売却先行」をおすすめします。
売却先行であれば、売却代金の一部を新居の購入資金に充てることができます。しかし、資金に余裕がない状態で購入を優先させた場合、二重ローンを支払わなければならない状況に陥ってしまう可能性があります。そうなると、早く二重ローン状態から抜け出したいために売り急いでしまい、希望額よりも低い価格で売却してしまう恐れもあります。満足のいく住み替えを実現するには、一戸建てを売却する事情を踏まえた上で、しっかりとした売却計画を練ることが大切です。
一戸建て売却に関するよくある質問
一戸建て売却についてよくある質問をまとめてみました。
Q. 対面せずに査定してもらうことは可能ですか?
査定方法には2種類あり、机上(簡易)査定であれば対面せずに査定を算出してもらうことができます。最近では、テレビ電話で話をしながら、その場で簡易査定金額を出してくれるサービスを提供している不動産会社も出てきました。しかしながら、実際に物件を見てもらって査定額を算出してもらう訪問査定の方が、より精密な査定額が期待できます。特に一軒家は土地や物件の形状や面積、状態などが一軒一軒違うため、訪問査定により様々な要素を総合的に判断して算出された査定額は、より信頼のおけるものと言えるでしょう。
Q. 売却活動中ですがなかなか買い手が見つかりません
なかなか成約に至らない場合は、どうして売却できないのか原因を特定することが重要です。物件が売れない主な理由として、売り出し価格が割高である、物件に何らかの問題がある、需要がない、不動産会社選びに失敗している、などが挙げられます。このような原因であれば、価格を見直す、リフォームを行う、不動産市場が活発になる時期まで待つ、媒介契約内容を見直すかもしくは不動産会社を変更する、というような方法で対処することができます。希望に近い形での早期売却を望むのであれば、不動産会社とこまめに連絡を取り合って、売却活動に主体的に関わっていく姿勢が大切です。
Q. できるだけ早く売却したいです。どのような方法がありますか?
一戸建てを売却する際は、不動産会社に仲介を依頼して買主を見つけてもらう方法が一般的です。しかし、一戸建てを仲介により売却する場合、目安として大体6ヶ月くらいの時間がかかります。なかなか買い手がつかない場合は1年以上かかってしまう場合もあります。そのため、すぐにでも一戸建てを売却して現金化する必要があるならば、不動産会社に一戸建てを買い取ってもらう「買取」という方法をおすすめします。買取の場合、仲介手数料はもちろんかかりませんが、買取価格は相場の7割程度になることがほとんどです。ただし、不動産会社が全ての一戸建てを買い取るとは限らないため、買取を希望する場合は不動産会社が買取に応じてくれるかどうか確認する必要があります。
Q. 少しでも高値で売る秘訣はありますか?
不動産市場が最も活発になる1月から3月、そして第二シーズンである9月から11月に標準を定めて売り出し始めるのがおすすめです。なぜなら、これらの時期は転勤や進学、移動の時期と重なるため、新しい物件を探す人が増え、それに比例して相場価格も上昇するためです。また、事前に交渉の仕方やポイントを心得ておけば、交渉を有利に進めていく上で役に立つでしょう。
まとめ
今回は、一戸建てを売却する際の流れや押さえておきたいポイント、注意点などをご紹介しました。一戸建てはマンションと比較すると個別性があるため、売却に要する時間が長くなる傾向にあります。また、建物や周辺状況の他にも、土地についての情報も確認しておかなければなりません。不動産を初めて売却するのであれば、不安や戸惑いを感じることも多くあるでしょう。そのような売主をサポートするのが不動産会社の役目です。売却を成功させるためにも、一戸建ての売却に強く信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。